痴呆病棟

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みなさんは認知症病棟をご覧になったことはあるでしょうか?最近は認知症患者さんの数も増え、65歳以上の約7%、85歳以上では4人に1人が痴呆になると言われてます。結構すごい数です。でも、認知症病棟って、その性格上どうしても、閉鎖的になりがちで、(実際、自分の勤めてる職場は閉鎖病棟なんですが・・・)その内情ってほとんどわからないですよね。「うちのおじいちゃんが痴呆で、もう大変で・・」考えたら自分らって夜なんか二人で50人の患者さん看てるわけだし、それはそれで、すごいと思うし。(自己満足?)少し、そんなてんやわんやの(古い!)認知症病棟について考えてみたいと思います。

 自分がこの病院に勤めだして、12年。干支も一回りとりあえずしたわけです。200床の病院はそのほとんどが認知症患者という内容で、看護学校出てからは、なんか、認知症以外の患者さんに接する機会ってないなってつくづく思います。 ていうか認知症の症状の多様性を年とともに実感するようになりました。

 認知症老人の方も好きで認知症になる人はたぶん誰一人いないと思いますが、なってしまったら、好むと好まざるとにかかわらず病院でこういう形で余生を過ごさなきゃならないのかなと思うと複雑ですね。自分も家族の痴呆で悩んだ経験があるからなおさらです。それがどうなのか・・・。


 最近は認知症病棟でも自分の生活用品や、私物を置けるようになっているようですが、自分が最初、病棟に入って思ったことは「何もない!」ということ。でも、すぐに理由がわかりました。異物を食べてしまう。飲み込んでしまう。集めてしまう。トイレに流してしまう・・・とにかく危ないことだらけ。身近に物がなければよけい、物への固執も激しくなり、他の患者さんのタオルや枕、果てはチリ紙までも収集しようとします。まあ、物があるのとないのと、どっちがいいのかはっきりとはいいきれませんが・・・ま、あまり殺風景でも。



 あと勤めだして一番困ったのは患者さんの名前を覚えること。もちろん名札なんかありません。ベッドに名前を貼っていても、患者さんは徘徊してそこにはいません。また、昼間は座っていられる人はなるべく、ディルームという広間ですごすようになってます。みんなこれが同じ顔に見えるんですね。覚えるコツは、顔が少しでもタレントなんか似てたら、それを頭に入れる。後は言葉、ふだん喋ってる特徴的な独り言、大声とか・・・。うちは患者さんの服も病院で揃えているんで、区別がつかなかったりします。配膳や与薬なんて大変ですよね。患者さんは入院生活で食事ぐらいしか楽しみがなくて、やっぱり早くお膳を渡さなきゃって焦ってもあたふたするんです。


 日勤のスタッフは患者さん50人に対し大体10〜13人くらいで、日祭日は7人に減ります。こうなったらはっきり言って戦争ですね。食事介助も一人で3〜4人なんて当たり前。窒息事故だけは起こさないように・・・。

 患者さんにも1日の流れがあるように、スタッフも、流れを把握しておかないとここではやっていけません。オムツ交換をしながら次は何をしたらいいのか考えて1日が終わります。オムツ交換も大変です。中には嫌がる患者さん、足が拘縮(間接が曲がったまま固まる)してる人、どちらも力が要ります。でも事故だけは起こさないよう細心の注意をはらいながら・・・


 車椅子に起こすのも体重が40キロをこえる患者さんは結構腰にきます。何処の施設や病院でもそうなんですけどね。女性の看護師さんてある意味力持ちですよね。男の自分から見ても感心(感動?)します。でもやっぱり腰のコルセットは結構必需品みたいですよ。

 衣類は病院のものですが、更衣も大変です。なかなか素直に受け入れてもらえないことも多々あります。尿失禁、便失禁、怒って食事をひっくり返す。特に尿失禁は多いですね。1日に5〜6回着替える人も結構います。まあ、生活機能の維持のため、なるべくオムツは使わないようにしてるんですが、やっぱり夜は大変です。スタッフは二人だし、一人が仮眠してる時に便失禁されたら、泣きが入ります。そして、眠剤を飲んでも寝ない患者さんも結構います。結局眠剤に頼らなきゃって感じですけど、それでも耐性がついてきて薬が効かなくなる。。夜間は結構、骨折とか事故のリスクが多いです。気をつけてますホント。


 うちの病院は4病棟あって認知症疾患治療病棟が2棟、療養型の病棟が1棟。あと一つは精神病棟なんですが、まあ実際は寝たきりや終末期の重症患者さんが主かな。自分の病棟は重度認知症疾患治療病棟ですが、患者さんの認知症の進み方は人によっては早いですね。進行性の疾患だから仕方ないのかもしれないけど・・・。この前も友達の精神科の病院で手に負えなくて転院してきた患者さんがいましたが、友達は、「あの患者さんすごいだろ。騒いでとても手に負えないもん。」でも、うちじゃ普通なんですけど・・・認知症患者さんの重度化って高齢化とともにやっぱり進んでるのかなあ?地域差があるのかな。まあ病院の取り組みの違いもあるでしょうけど・・。

 でも、働く者にとって病院って閉鎖社会ですよね。うちなんか特に閉鎖病棟で病棟に鍵かかっているから、世間と隔絶されてるようなもんで。病院は今でもやはり女性社会です。男性職員は増えたとはいえ5人に1人くらいなもので、圧倒的に少ないです。


噂話は院内、院外を問いません。壁に耳あり・・・。あと、派閥。これはどこでもあるんでしょうが。まあ割りと男性は中立的な立場なんですが。もめる病棟はとにかくもめます。ここだけの話なんてまずないですから。話に尾ひれがついて、話にうなづいただけで自分の言った事になったりして。




























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